雑記:17-19.12.2021

先週末、大学時代の友人が東京から遊びに来てくれていた。わざわざ大阪までたいへんありがたいことだ。金曜の夜、仕事終わりに新幹線に乗ってやってきてくれたのだがその日は(というか週末を通して)とても風が強くて挨拶もそこそこに足早にご飯を食べに向かった。入ったのは近所の焼肉屋で、いかにも大阪といった感じのおかんがやっているお店だった。大阪に来て10か月ほど経つのに、しかもなかなか大阪色濃いめの街に住んでいるというのにこの手のお店に来たのは数えるほどしかない。(緊急事態宣言がでていたというのも大いにあるのだが。)そんな人情で経営しているようなお店だったが、やはりというべきか美味いのだ。お酒もお肉も。とても満足だったのだが、気になる点があった。注文の度にユッケ?的なものをおすすめされたのだが、毎回必ず「かる~く炙ってますんで!」と付け足す。うちはちゃんと火入れてるからね、ということなのだろうが言えば言うほど、である。結局頼まなかった。

その日は土日の予定をざっくり決めて、次の日に備えて早めに寝た。

 

 

土曜日は車を借りて三重県に行くことにした。というより僕が行きたいと言ったのだ。三重県って行ってみたい所はあるけど、なかなか行く機会がなかったのでちょうど良かった。僕が三重県でどうしても行ってみたかった場所のひとつが伊勢神宮だ。特にこれといった強い理由や信仰心なんてないのだが、ただなんとなく行ってみたかった。幸い、友人も行ったことがないようだったので行先はすんなり決まった。大阪から三重まで3時間くらい。二人で運転を交代しながら向かった。ちなみに僕は運転が苦手(というか下手)で、友人数人とドライブなんかに行くときは大体最後まで温存されている。毎回思うのだが、車の運転ってみんなどんな気持ちでやっているんだろう。僕なんかは、自分の気の迷いでいつでも人を殺せてしまう、なんて危険なんだ…。とか思ってしまってかなり緊張する。まあ経験が圧倒的に足りないのだろう。しかし今回は友人と2人でのドライブなので自分が運転しないわけにもいかない。なので高速など比較的運転しやすいところを担当した。それでも助手席の友人にかなりサポートしてもらってなんとかだった。要介護青年である。運転上手くなりて~。

そういえば、道中、京都あたりの山あいの町だろうか。雪が積もっていた。それはもうたいへんに美しかった。車を停めてきちんと写真をとればよかったと後悔するくらいに。僕の生まれ育った高知県というところはなかなか温暖な気候で雪なんて滅多に降らない。ましてや積もることなんてない。僕の記憶では小学生の頃に一度だけ。その日は朝の校庭でベタに雪だるまをつくったり雪合戦をした気がする。でも雪がそんなにしっかり積もっていなかったからか、土が混ざって想像していた真っ白な雪ではなくてなんか汚えなと思った覚えがある。ということもあり、いまだに雪が降るとテンションがあがるのだがその日の数分の光景は今までで一番きれいな雪景色だったように思う。

てなかんじで車を走らせてようやく伊勢神宮に到着した。圧倒的大自然パワーだった。でかい木がにょきにょき生えていてとても良かった。普通の神社やお寺みたいに雰囲気で順路がわかるもんかと思っていたら、いろんなところに神様が祀られていてかなり迷ってしまいなかなかボス(正宮)までたどり着けなかった。でも散策感が強くて結構楽しかった。こういうところに来ると近所にどかんと緑がある環境っていいなと思う。

伊勢神宮を出た後すぐ近くのお店で伊勢うどんを食べた。せっかくだから名物を、ということだったのだが讃岐うどん狂信者の僕としてはあまり好みでなかった。名物ってのはそういうもんかもしれん。

 

そこから車に乗りこみ次の目的地に向かった。こちらも僕の希望だったのだが、伊勢から40分ほどの鳥羽市に「海の博物館」という建物がある。ここが三重で一番行きたかった場所だ。この建築は内藤廣が設計したのだが、僕は学生の頃から内藤さんが結構好きなのだ。建築はもちろんのこと、僕は内藤さんの書く文章がかなり好きだ。きっかけは、学部4年の時に読んだ講義シリーズ(環境・構造・デザイン)だと思う。内容が面白いことに加えて、その文体が、なんだか話しかけてくれているような手触りなのだ。以来内藤さんのファンになったわけだが、内藤さんの建築って結構地方に多いイメージでなかなか見に行けていないのだ。その中でも今回訪れた「海の博物館」は内藤さんのキャリアにおいて初期、それも公共建築に限れば最初期の作品だ。これは絶対見たいぞ、と思っていたので結構うきうきだった。

月並みな感想だが、すごく、すごくよかった。何が良かったのかと振り返ってみると、おそらくスケールの操作、そして分棟の配置なんじゃないかと思っているけどまだうまく言い当てられていない感じがする。なので、感想についてはまた今度書こうと思う。

 

「海の博物館」を後にし、時間も時間だったのでまっすぐ帰って近所の居酒屋で飲んだ。1階が満席とのことで通された2階は強烈な実家感のある和室みたいなところだった。妙に不信感を覚えつつ、飲んでいたんだけど出てくる料理が軒並み美味い。しかも安い。そしてこの実家のような和室は僕たちしかいなくて貸し切り状態。つまるところすごくいいお店だった。店員のお兄ちゃんもいい人だった。近所にこういうお店を発見できたのは嬉しい。

 

 

日曜日は、映画を観た後ぶらぶらと買い物をした。「ドライブ・マイ・カー」を観た。秋口に上映が終了していたはずが復活上映的なやつで今月の23日までやってるとのことで滑り込むかたちとなった。どうしても劇場で観ておきたかったので、友人にお願いして付き合ってもらった。はるばる大阪まで来てもらったのに僕のしたいことばかりで本当に申し訳ないなと思う。しかもこの映画3時間もあるのだ。すまん。

個人的に、すごくいい映画だなと思った。思ったのだが、例によってどこがよかったのかうまく言語化できない。観終わってハンバーガーを食べてる時に友人とぽつぽつと感想を言い合っていたのだがなかなか難しい。でもこうやってすぐに感想を共有できるので、誰かと映画を観るのって豊かなことだなと思う。ちゃんと咀嚼できたら、こちらもまた改めて書きたい。とりあえず原作を買ったので読もうと思う。パンフレットもちゃんと読もう。

 

その後買い物に出かけたのだが、友人は買うべきものを見失い頭を抱えていた。彼も服が好きで、なにか新しいものを狙ってたり買ったりするとよく話すのだ。そして決まって毎回、とにかく数をこなすしかないというところに行き着く。今回も、上がりへの道のりは長いということを噛み締めつつ彼は帰っていった。

なかなか充実の週末だった。今回で少し前に買った使い捨てカメラを撮り切ったので現像が楽しみである。気に入ったものがあればのっけていこうと思います〇

 

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